オフショア投資ガイド

はじめに:夢の配当生活 シンガポールリッチを目指す

ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。

世界中から富裕層が集まるシンガポール。シンガポールはスイスとともに、世界最大のオフショア金融センターとして君臨しています。欧米の伝統あるプライベートバンクの買収などを経て、たったの数十年で数百年もの歴史があるスイスのプライベートバンクに匹敵する存在になりました。

シンガポールには外資を含めて数十のプライベートバンク、富裕層の生活周りから資産運用のお手伝いをする無数のファミリーオフィスがあります。世界のお金持ちはさらに資産を増やすべくシンガポールでプロを雇って運用をし、法律や税金のコンサルティングを受けているのです。

私は2015年からシンガポールに住んでいますが、平日の朝からゴルフ三昧で昼からワインを開けている人も多いです。たまに電話に出て経営をしている会社の社員に指示を出すなど1日のうちで働く時間はごく短時間です。子供の学校にもパパママや祖父母まで参加をして、祖父母も連れて休みの度に家族旅行に出かけます。なぜこのような生活が成り立つのかというと、彼らには不動産収入や配当収入などの不労所得があって、生活費のためにあくせく働く必要がないからです。

これは彼らが大金持ちだから可能なことだと思うかもしれませんね。しかし、実際にはごく一般的な会社員でも順番を間違えずに正しく資産運用をすれば富裕層に限りなく近い配当生活を目指すことは十分に可能です。欧米のミレニアル世代(1981年〜1996年生まれ)の間でFIREムーブメントが流行っています。30代〜40代で経済的自由と早期退職を目指すという動きです。

実際にシンガポールにいる欧米人の友達もこの配当生活を実践しています。彼はこの20年間、収入を得たら6%前後分配金が出る外債ファンドを購入し、分配金を再投資し、給与で得た余剰資金でまた新たにファンドを購入することをコツコツ実践してきました。現在では元本が1億円程度に膨らみ、レバレッジもかけて、年10%程度の配当収入をもらっています。つまり、1億円の元本があったら、1000万円の配当が出るということです。現在は子育てをしながらも配当収入の範囲で生活ができているのだと言います。だからいつ会ってもすごくお金や時間にゆとりがあります。待ち合わせには30分以上早く来て席を確保してくれたりします。

このような方法で配当生活をしている人が多いのです。また、テック企業などで働き、株式の価値が上がって、30〜40代で億り人になっている日本人も多くいます。資産運用をするほうが人生設計は非常に有利になる場合が多いのです。

明治神宮の森を設計したことで知られる林学博士である本多静六博士(1866~1952年)氏も『私の財産告白』(実業之日本社)のなかで、「あらゆる通常収入は、それが入ったとき、天引き四分の一を貯金してしまう。さらに臨時収入は全部貯金して、通常収入増加の基に繰り込む」という「四分の一天引き貯金法」を提唱しています。博士は25歳から初めて40歳で配当収入が給与収入を上回り、60歳前に山林や別荘といった莫大な不動産などの財産を築きました。

高収入、低貯金の人も多く、不況になるとあっという間に家計が傾く高給取りもいます。倹約をしてコツコツと投資をすることが大切なのです。収入の高い欧米人だけではなく、アジア人の間でも40代50代でミリオネアになっている人も多くいます。

不動産収入、配当収入、配偶者の収入などがあると不況期を乗り越えやすいです。これに対して、金の卵を産む鶏を持っていないと生活はどうなるでしょうか。日本人の多くは元本保証の普通預金や定期預金を好みますが、利息はほとんどゼロです。投資をせずに1億円を目指そうとすると、夫婦共働きで生涯賃金が二人で6億円だとして、その20%を貯めてようやく定年時に達成できる数字です。

これに対して、投資をすればお金が加速度的に増えます。「72の法則」とはお金が2倍になるまでの金利と年収の関係を表した公式です。例えば、7%で運用ができれば約10年で元本が2倍になります。反対に0.001%なら2倍になるまでに7万2000年かかるということです。リスクをとらずに普通預金のままにしていると、ミリオネアへの道は遠く険しいのです。

また、住宅購入の頭金に貯めてきたお金を使い切るという人も多いです。住宅を取得しても自分が住んでしまえば不動産収入は生まれません。貯蓄型の保険が好きな人も多いですが、円建てだと30年預けてもたったの1%程度しか増えません。仮想通貨やFXなどキャピタルゲインを追求する投資を好む人もいますが、通貨に投資をしても配当は生まれません。そう、限られたお金を有効活用させ、富裕層にのし上がるためには、決して投資の順番を間違えてはいけないのです。

シンガポールの富裕層(金融資産1億円程度)や準富裕層(金融資産数千万円程度)が実践している年間6%程度の配当収入を目指すには次の3つのことが重要です。

  1. 投資の順番を間違えない
  2. レバレッジを利用する(必要あれば効果的に銀行から借り入れをする)
  3. 配当や利息などインカム重視の分散したポートフォリオ(金融商品の最適な組み合わせ)を作る

1.投資の順番を間違えない

投資の順番としては、手元の現金を使い、まずは担保価値のある金融商品を買うことが重要です。海外の金融機関では投資信託や債券の場合、価値の7〜8割の銀行融資を受けることができる場合があります。融資を受けたお金を利用して新たに投資信託を買うことも可能です。つまり、1.7倍程度まで手持資金を増やすことができるのです。

プライベートバンクの口座等を開設するには収入や資産を証明するために、いわゆる見せ金が必要です。現金預金や上場株式等が一番価値の証明が簡単なので、進むべき道が見えるまでは換金性が高く、時価をすぐに証明できる形で資産を保有しておく方がいいのです。

2.レバレッジを利用する

効率的にお金を増やしたいのであれば、正しい方法でレバレッジを活用させると加速度的にお金を増やすことができます。例えば、日本であれば不動産にはレバレッジが効かせられることは有名ですね。1250万円の収入であれば、年収の8倍程度の1億くらいまで借りることも可能だと聞きます。同時に1億のローンを抱えることになりますが、ローンは店子が返してくれます。海外では日本ほど不動産のレバレッジが効かないのですが、金融商品にはレバレッジが効く場合があります。

例えば、4000万円の元本に対して、1.7倍レバレッジをかけると投資可能額は6800万円になります。配当が6%、借り入れ金利が1.3%であれば、金利を引いた後に毎年372万円程度の収入が生まれます。元金に対してキャッシュフローベースで10%近くの配当を受けることが可能になるのです。債券や債券ファンドに対してレバレッジをかけることはシンガポールでは人気の投資方法です。

もちろんレバレッジをかけることはデメリットもありますが、限られた資金を有効活用できるメリットもあります。預金を元手に会社の経営も資産運用も両方しないなど時と場合によって活用すればよいでしょう。

3.インカム重視の分散したポートフォリオを作る

全資産を未上場株式や仮想通貨に投資をするなどのギャンブルよりも確実に期待できる債券の利息、投資信託の分配金、大企業の株式などの配当を狙ったインカムゲインを重視する戦略も重要です。

大企業の株の場合、企業が株価を維持するために不況で業績が大きく変わっても一般的に配当を維持することが多いのです。ウォーレンバフェット氏が日本の5大総合商社株を購入したのは、配当狙いだと考えられます。

もちろんある程度の資産になるまでは元本の増大を追求したいのは理解ができます。誰もが明日にでも大金持ちになりたいと思っているからです。しかし、そこまでリスクを取らなくても10年、20年と時間を味方につけることができれば、多くの人が資産1億円を目指すことも可能です。

私自身も『夫婦でためる1億円』という著書を2012年に上梓しましたが、粘り強く資産運用を続けていることによって、一つの目標額に資産が到達しつつあります。

元本が値動きする金融商品はこわいという日本人も多いです。しかし、銀行預金にもインフレリスクがあります。銀行の金利が0%でインフレ率が2%なら、お金の価値は-2%となってしまいます。あなたの預金通帳の残高はそのままかもしれませんが、物の値段が上がることによって、実質的な紙幣の価値が下がってしまう場合があるのです。つまり、この世の中に真の元本保証など何一つもないのです。今後、中央銀行によるデジタル通貨導入もインフレを招くリスクもあるでしょう。

金の卵を産む鶏を育てる

さて、資産運用をする場合、日々の元本の変動はあまり気にせずに一度決めたら資金が必要になるまで売らないなどの忍耐が重要です。金の卵を産む鶏は生かし続けないといけないからです。畑を耕す農家は土地の値段が変動しても一喜一憂しません。なぜなら、農家にとっては作物の収穫量だけが重要だからです。代々の土地を引き継いでいる地主も家賃収入を気にするだけで、毎日の不動産の時価にピリピリすることはないでしょう。彼らは収益の源泉となる資産を手放すことを考えていないからです。ウォーレン・バフェット氏も資金が必要になるまでは株式を売らないと言っています。

それと同じで若い頃から元本の変動に慣れ、金利がゼロの預金をやめれば、5%前後の配当収入を確保することは可能です。たとえ日本の金融機関で資産運用をしたとしても、大手企業の配当利回りは非常に高い水準になっています。そして、海外のオンライン証券やプライベートバンクにアクセスをすることができれば、300万種類など星の数ほどの金融商品からあなたのポートフォリオを選ぶこともできます。それはあなたの投資のチャンスを大きく広げることになるでしょう。

本ガイドでは、世界の富裕層が行なっている日本のビギナー投資家でも実行可能な資産運用の方法をご紹介していきます。それは、低金利で資産運用難に悩む日本人を救うための一つの解決法になると確信しています。国内では低金利でよい運用先が見つからないと悩む人、日本の財政リスクから海外に拠点を作りたいと考えている人の資産運用やライフプランを救う手引となれば幸いです。

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