コラム

相続税・贈与税に関する「10年ルール」って?

相続税の基本ルール

シンガポールには、贈与税・相続税がありません。ところが、日本は贈与税・相続税の最高税率は55%と、非常に高くなっています。さらに、2015年から相続税の基礎控除が引き下げられ、相続税を支払うことになる人の割合は、約12人に1人となりました(※2016年の場合)。基礎控除の引き下げ前と比較すると、相続税を負担する人の割合は倍増したことになります。

 

2015年以降、相続税の基礎控除は、以下の計算式で算出することになっています。

相続税の基礎控除の計算式

3,000万円+600万円×法定相続人の数

相続人が一人の場合、基礎控除は3,600万円ということになります。

なお、地価の高い都心にマイホームを持っている場合、評価額が数千万~1億円を超える場合もあります。しかし、自宅の場合は、一定の基準を満たすと限度面積の330平米まで、評価額を80%減額してもらえる特例(小規模宅地等の特例)があります。

つまり、評価額1億円の宅地を相続したとしても、特例を受けることができれば、評価は80%オフの2,000万円になるのです。特例を受けることができる相続人は、被相続人の配偶者、同居親族、持ち家のない親族、生計を一にする親族などに限られます(配偶者以外が相続する場合は「申告期限まで売らない」などの要件あり)。自宅の割引と併用はできませんが、亡くなった人のアパートなどの賃貸用の宅地に関しても200平米まで50%引きになる特例もあります。相続の際の土地の評価は一般に路線価を使うので時価よりも評価を下げる効果がある上に特例があるのです。

相続税・贈与税に関する「10年ルール」を知っておこう

「10年ルール」とは、大雑把に言うと相続人と被相続人(贈与者と受贈者)の全員で海外(相続税や贈与税がない国)に移住して、10年超待てば、海外に移した資産に関して、原則的に日本の相続税や贈与税を課せられずに済む、というものです。

被相続人(あるいは贈与者)と相続人(あるいは受贈者)の双方が、10年超日本に住所を有しない場合に関しては、日本にある資産のみが課税対象となり、海外の資産は課税の対象外となります。

相続が発生しそうで心配な方は、早めに対策を練ったほうがよいかもしれません。例えば「生前贈与(暦年課税による贈与)」で相続財産を減らす、不動産を活用して財産の評価額を下げる、生命保険を活用する、などの方法が考えられます。人それぞれに適した節税対策は異なるので、相続に強い税理士などのプロに相談してみることをおすすめします。

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