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コラム

🔒 クレディ・スイスショックから考察する 3つの資産防衛術

スイスのアセット・マネジメントの会社などとミーティングをする機会が多く、20日はスイスでは嵐のような一日だったそうです。
 
クレディ・スイスは1856年創業で世界の富裕層向けに非常に大きな影響力を持っている金融機関でした。そのために本国のスイスでは富裕層にとって一般的で、口座を持っている人も多いのです。そのために、顧客の中で一部の資産を預けていて、パニックになっている人もいたと言います。
 
3月に入って米国の銀行も3行が破綻しています。急激な利上げで長期金利と短期金利の差が大きく、銀行経営の舵取りが難しくなっています。更にSNS等で影響力が強い人の声で取り付け騒ぎが起きてしまうと1日で多額の引き出しを生んで急激に危機を引き起こしてしまうと気付かされました。
 
今回は米国と欧州の金融危機から学ぶ3つの資産防衛術についてお伝えさせていただきます。
 
  1. 複数の金融機関に分散をする(あるいはすぐに移せる状態にしておく)
  2. ポートフォリオの流動性を確保する
  3. 「AT1債」等のハイブリット証券に対するリスクを再定義する

1.複数の金融機関に分散をする(あるいはすぐに移せる状態にしておく)

 
日本の金融機関では1日の引き出しや送金額の上限がデフォルトで50万円などと定められている場合があります。これに対して海外の金融機関では大金を一度にネットで送ることも可能です。取り付け騒ぎが起きてしまうと皆がこぞって引き出しをするので、それを防ぐ上でも日本の金融機関では上限があるのかもしれません。経営を安定化させるにはよいことですが、顧客側からすると不便でもあります。
 
日本の金融機関は今のところ危機が起きる状態ではありません。しかし、将来似たようなことが場所を変えて繰り返し起きる可能性はあります。
 
その国の預金保護を超える金額を1つの銀行の預金にしておくことはできれば避けたいものです。株式、債券、投資信託等は分別管理されているので金融機関が倒産をした場合も自社の資産と分けて管理をされています。
 
私はシンガポールの銀行数行、日本の銀行数行に口座を持っており、少しずつ分散をしており、いざとなった時にもインターネットでかんたんに送金ができる状態にしてあります。口座開設にも時間がかかるために平時から準備をしておくほうがよいでしょう。

2.ポートフォリオの流動性を確保する

 
一般に株式、債券、投資信託等は分別管理されている上に、売却をしてから通常2〜3営業日程度で換金できる場合が多いです。しかし、ヘッジファンド、未公開株、不動産等一部のオルタナティブ商品の場合、ロッキング期間があったり、売却までに時間がかかることがあります。
 
流動性を犠牲にすることで高いリターンを得ることができる可能性も上がります。しかし、金融危機の時代には流動性が非常に重要になります。ヘッジファンド等も倒産するリスクも高まります。また、直接ファンドにお金を払い込む方式ですと不安がつきまといます。いざとなった時にすぐに換金ができ、金融機関で残高が確認できる状況にしておいたほうが安心でしょう。新規公開市場も厳しい冬の時代が続いていますので慎重に考えたほうがよさそうです。
 
また、金融危機など危機的な状況になった際には金や銀価格が上昇するということが今回も証明されました。ETF(上場投資信託)などでもよいのでポートフォリオの一部に貴金属を加えておくのも一つです。
 

3. 「AT1債」等のハイブリット証券に対するリスクを再定義する

 
今回のクレディ・スイスの一連の件で始めて「AT1債」という名前を聞いた人も多いでしょう。AT1債は金融機関が発行する永久劣後債になります。
 
永久劣後債とは債券と株式の両方の性質を持つ「ハイブリッド証券」の一種です。発行企業が一定期間後に元本を買い戻す条項を付ける例が多いです。
 
経営破綻時には借入金や通常の社債など一般債務に比べ弁済される順位が劣後するリスクがあります。不良債権処理などで自己資本が毀損した場合、強制的に株式に転換される偶発転換社債(CoCo=ココ債)の一種で、利回りが相対的に高い特徴があります。


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