景気は循環するもので、好調な時もあれば不調の時もある。
基本的には「好況→後退→不況→回復」の4つの局面が順番にやって来て繰り返されるわけだが、その長さにはその時その時によって異なる。また、景気循環のサイクルには4種類あるとされていて、その4つが組み合わされて複雑な波を作る。
企業の製品在庫の変動に着目した波は「キチン・サイクル」、
企業の設備投資の周期に着目した波は「ジュグラー・サイクル」、
建物や施設の建て替えの周期に着目した波は「クズネッツ・サイクル」、
新たな技術革新が起こる周期に着目した波は「コンドラチェフ・サイクル」と呼ばれている。
これらは、それぞれ景気循環の波を発見した人の名前にちなんでいる。
これらの波は、それぞれ長さが異なり、
「キチン・サイクル」は比較的短期で約40カ月、
「ジュグラー・サイクル」は約10年、
「クズネッツ・サイクル」は約20年、
「コンドラチェフ・サイクル」は最も長い約50年とされる。アナリストの業績予想などは、「キチン・サイクル」を意識したものであることが多いが、大きな流れを見る時には「ジュグラー・サイクル」も意識している。「クズネッツ・サイクル」や「コンドラチェフ・サイクル」になると誤差も大きく、一般的には実際の業績予想には使いにくい。
「最も明確なサイクルが観察できたのは商品市況で、30年ごとに大きなサイクルが来ている。足下も商品市況は強含んでいるが、この流れからすると2030年代が本番なのかもしれない。
物価は基本的には商品市況が上がる時には上がり、それ以外は落ち着いている。その中でも商品市況高騰の後に来る10年は物価が下がり、金利が低下、株価は上昇局面となっている。特に新技術関連で大相場となる事が多い。」
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